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初心者でもざっくり分かる!M&Aの具体的な進め方

こんばんは!休み明けは眠いですね〜

サラリーマンでも個人でM&Aをする時代が来ると言われています。仕事で携わったことがない方でもM&Aに興味を持ち始めた方も多いのではないでしょうか。

しかし、M&Aに関する本や記事は小難しい専門用語が多く、結局よく分からないという場合も・・・。実際、私も新卒でコンサルファームに入社した時にM&A関連の本を読みましたが、何だか何だかよく分からなかったことを覚えています(笑)

ということで今回は初心者の方でもなんとなーく分かるよう、ざっくりとM&Aのプロセスについて説明してみようと思います。

今回取り上げるケース

今回は単純化のため、下記のケースを例に説明します。

  • A社:買収をする企業(買主)
  • B社:買収をされる企業(対象会社)
  • C氏:B社の100%株主(売主)

A社がB社を買収するということはA社がB社の株式を買うことを意味しますよね。ですので、A社がC氏と交渉を行い、A社がC氏に現金を支払う代わりに、株式を貰うことでM&Aが成立することになります。

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M&Aのプロセス

実際に買主であるA社がM&Aの検討を始めてから、B社の買収を完了するまでのステップはざっくり言うと下記の通りになります。

  1. M&A戦略の策定
  2. 秘密保持契約(NDA)の締結
  3. デュー・デリジェンス(DD)
  4. 契約書の締結
  5. クロージング

たったの5ステップですので、それぞれ説明していきます。

各ステップの詳細 

1. M&A戦略の策定

買主であるA社がM&Aの検討を始めた際、まずはM&Aの目的を整理した上で、目的に照らし合わせて、買収候補企業の選定を行います。

何の目的でM&Aを行うかがぶれると後々の買収プロセスにも響いてきますので、ここは時間をかけてしっかりと整理をしておくべきでしょう。

2. 秘密保持契約(NDA)の締結

今回は超単純化のため、無事、買収候補企業であるB社の株主であるC氏と交渉ができることになったとします。

M&Aプロセスを始める場合、まずNDA(Non Disclosure Agreement: 秘密保持契約)と言われる契約書を締結することになります。

多くの場合は買主が買収に当たって得た情報を第三者に口外しないことを目的としているため、買主が売主に「秘密を口外しません!」と言う意味でNDAを差し入れることになります。

3. デュー・デリジェンス(DD)

出来るだけ日本語を使うことを心掛けているのですが、こればっかりはごめんなさい(笑)かつては、「買収監査」、略して「ばいかん」などと言われていたこともあるみたいですが、現代においてはほぼ耳にすることはありません。「でぃーでぃー」や「でゅーでり」と一般的に略されます。

DDとは何かと言うと、対象会社が買収に値する企業であるかを買主が精査するプロセスになります。対象会社のキーマンにインタビューを行ったり、対象会社の財務諸表や過去の重要な契約書を貰ったりして、入念に対象会社について調べていきます。

大企業におけるM&Aではこのプロセスでは外部の専門家を活用する場合も多いです。DDでは大きく分けて、3つの領域について精査することになるため、

  • ビジネスDD:コンサルティングファーム
  • 財務DD:会計事務所
  • 法務DD:法律事務所

を活用することが一般的です。

大企業のM&Aではこのプロセスに膨大な労力を注ぎ込むことになります。数百〜千ページにも及ぶ大量の資料を1か月程度の短期間で隅から隅まで目を通し、対象会社に問題がないかを見ていきます

個人的にはこのDDプロセスはM&Aを成功させるための最も重要なプロセスの一つだと思っています。

4. 契約書の締結

DDプロセスを経て、買主にとって対象会社がどれだけの価値があるかが見えてきます。

ただ、買主は買収金額をできるだけ低くしたい一方、売主は買収金額をできるだけ高くしたいというインセンティブが働きます。

そのため、従業員の雇用維持方針など、価格面以外の条件を含めて交渉を行いつつ、契約書を最終化していくことになります。

5. クロージング

最終契約書の締結が終われば、諸々の法的な手続きなどを経て、買主から売主に買収金額が支払われると共に、売主から買主に株式が譲渡され、M&Aプロセスが完了します。

サラリーマンがM&Aをする時代が?

かなりざっくり説明するとM&Aのプロセスは上記の通りです。しかし、実際のM&Aでは上記の通り行かない場合も多々あります。言うは易しってやつですね。。

実際は、そもそも買手が買収したい企業が見つからない場合や、売主が交渉に応じてくれなかったり、対象会社の財務諸表が整備されていなかったり、買収価格の目線が全く合わなかったり、様々な問題が起こります。

全くの未経験者が誰の力も借りずにM&Aを行うことはあまり現実的ではないので、経験者の手を借りながらプロセスを進めていくことになろうかと思います。

 

「そもそも、M&Aって何?」と言う方向けにざっくり説明した記事は下記です。

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未経験者だけど、M&Aの仕事に挑戦してみたい!と言う方のために。
転職のステップを説明した記事はこちらです。

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