こんばんは!今週も1週間お疲れ様でした!
先日、有望ベンチャー企業の分析記事で「Kaggレンタル」について書きました。
そんな中、驚くことに早速、競合サービス(CLAS)に関するリリース記事が出ていました。①「Kaggレンタル」と②「CLAS」の二つのサービスを比較してみると、似たサービスでありながら、面白い違いが見えてきましたので、解説してみようと思います。
どちらも月額定額料金で家具をレンタルできるサービス
①Kaggレンタルも②CLASも「シェアリングエコノミー」や「ミニマリズム」といった最近のトレンドを捉えたもので、月額の一定料金を支払えば、家具をレンタルできるというサービスです。
ライフスタイルが多様化する昨今において、引越しの度に大きな出費を伴って、家具一式を揃えるのは難しい場合も。そんな中で、必要な家具を必要な期間だけ借りられるサービスに対するニーズは高いものと思われます。
それぞれのサービスの相違点とは?
一見、似たように思えるサービスではありますが、よく見てみると大きな違いがあることがわかります。開示情報に基づいた各サービスの特徴は下記の通りです。
①Kaggレンタル
- 対象エリア:東京23区内限定
- 製品:オフィスチェア
- 点数:10万点以上 ⇨ ◯
- 価格:月額990円〜 ⇨ △?
- 新品or中古:全て「新品」 ⇨ ◯
- 最低利用期間:なし ⇨ ◯
②CLAS
- 対象エリア:東京・神奈川・千葉・埼玉
- 製品:オフィスチェア/ベッド/ソファ/テーブル
- 点数:不明 ⇨ △?
- 価格:月額500円〜 ⇨ ◯
- 新品or中古:修理して「再利用」 ⇨ △
- 最低利用期間:半年間 ⇨ △
こう見るとかなり違いがあるのが分かると思います。どちらもサービスをローンチして間もないため、対象エリアや対象製品の違いは一時的なものと思われるため、説明は割愛します。
相違点を単純化すると、
①Kaggレンタル:豊富な商品点数を新品で利用できる代わりに最低月額料金が高い
②CLAS:レンタル品を修理して再利用する代わりに最低月額料金が安い
という感じでしょうか。
「違い」を生み出しているのは、製造機能の有無?
更にもう一段深ぼってみようと思います。そもそも、この違いを生み出している背景は何でしょうか?開示情報が限られるため、正確なことは分かりませんが、最大の理由は、レンタル商品である家具の調達方法にあると思われます。
各サービスの家具の調達方法は下記の通りです。
- Kaggレンタル ⇨ 家具メーカから調達
- CLAS ⇨ 中国工場で自社生産
Kaggレンタルは自社で製造機能を持たないため、家具メーカから製品を購入して貸し出しています。そのため、様々な家具メーカの幅広い製品を扱える反面、調達コストが高くなり(メーカの利益が上乗せされる)、レンタル価格は相対的に高くなります。
一方、CLASは製造機能を内製化しているため、家具の調達コストを抑えられることに加え、自社で家具の修理して中古品として再利用できるため、レンタル価格が抑えられます。
どちらが覇権を握るのか?
Kaggは前回の記事で言及したように、ユーザへの利便性と適正在庫の管理を両立できるか、CLASは安かろう悪かろうにならない製品品質を提供できるか、という辺りが課題になりそうですね。
いずれにせよ、どちらも便利なサービスであることに変わりはないので、同時期に類似サービスをローンチした二社の動向を注目していきたいですね。
Kaggレンタルについて分析した過去記事は下記です。