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【有望ベンチャー分析 #3】KaggレンタルとCLASの競合比較をしてみた!

こんばんは!今週も1週間お疲れ様でした!

先日、有望ベンチャー企業の分析記事で「Kaggレンタル」について書きました。

そんな中、驚くことに早速、競合サービス(CLAS)に関するリリース記事が出ていました。①「Kaggレンタル」と②「CLAS」の二つのサービスを比較してみると、似たサービスでありながら、面白い違いが見えてきましたので、解説してみようと思います。

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どちらも月額定額料金で家具をレンタルできるサービス

①Kaggレンタルも②CLASも「シェアリングエコノミー」や「ミニマリズム」といった最近のトレンドを捉えたもので、月額の一定料金を支払えば、家具をレンタルできるというサービスです。

ライフスタイルが多様化する昨今において、引越しの度に大きな出費を伴って、家具一式を揃えるのは難しい場合も。そんな中で、必要な家具を必要な期間だけ借りられるサービスに対するニーズは高いものと思われます。

それぞれのサービスの相違点とは?

一見、似たように思えるサービスではありますが、よく見てみると大きな違いがあることがわかります。開示情報に基づいた各サービスの特徴は下記の通りです。

①Kaggレンタル

  • 対象エリア:東京23区内限定
  • 製品:オフィスチェア
  • 点数:10万点以上 ⇨ ◯
  • 価格:月額990円〜 ⇨ △?
  • 新品or中古:全て「新品」 ⇨ ◯
  • 最低利用期間:なし ⇨ ◯

②CLAS

  • 対象エリア:東京・神奈川・千葉・埼玉
  • 製品:オフィスチェア/ベッド/ソファ/テーブル
  • 点数:不明 ⇨ △?
  • 価格:月額500円〜 ⇨ ◯
  • 新品or中古:修理して「再利用」 ⇨ △
  • 最低利用期間:半年間 ⇨ △

こう見るとかなり違いがあるのが分かると思います。どちらもサービスをローンチして間もないため、対象エリアや対象製品の違いは一時的なものと思われるため、説明は割愛します。

相違点を単純化すると、

①Kaggレンタル:豊富な商品点数を新品で利用できる代わりに最低月額料金が高い

②CLAS:レンタル品を修理して再利用する代わりに最低月額料金が安い

という感じでしょうか。

「違い」を生み出しているのは、製造機能の有無?

更にもう一段深ぼってみようと思います。そもそも、この違いを生み出している背景は何でしょうか?開示情報が限られるため、正確なことは分かりませんが、最大の理由は、レンタル商品である家具の調達方法にあると思われます。

各サービスの家具の調達方法は下記の通りです。

  • Kaggレンタル ⇨ 家具メーカから調達
  • CLAS ⇨ 中国工場で自社生産

Kaggレンタルは自社で製造機能を持たないため、家具メーカから製品を購入して貸し出しています。そのため、様々な家具メーカの幅広い製品を扱える反面、調達コストが高くなり(メーカの利益が上乗せされる)、レンタル価格は相対的に高くなります

一方、CLASは製造機能を内製化しているため、家具の調達コストを抑えられることに加え、自社で家具の修理して中古品として再利用できるため、レンタル価格が抑えられます

どちらが覇権を握るのか?

Kaggは前回の記事で言及したように、ユーザへの利便性と適正在庫の管理を両立できるか、CLASは安かろう悪かろうにならない製品品質を提供できるか、という辺りが課題になりそうですね。

いずれにせよ、どちらも便利なサービスであることに変わりはないので、同時期に類似サービスをローンチした二社の動向を注目していきたいですね。

Kaggレンタルについて分析した過去記事は下記です。

www.shumatsuconsulting.com